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【シリーズ】世界のソフトウェアテストカンファレンス:JFTL(第4回)

本シリーズでは、世界中で開催されているソフトウェアテストのカンファレンス情報をお届けします。第4回は、フランスで毎年開催されているソフトウェアテストのカンファレンス「JFTL」をご紹介します。
カンファレンス概要
JFTLの正式名称はJournée Française des Tests Logicielsといい、直訳すると、「フランスソフトウェアテストの日」となります。初回の2008年からパリ市内やパリ近郊で開催されています。
https://cftl.fr/actualites/jftl/
主催は「CFTL: Comité Français des Tests Logiciels」。これは、ソフトウェアテストの資格認定団体で、ベルギーを拠点にした国際的なNPO「ISTQB:International Software Testing Qualifications Board」のフランスでの加盟団体です。
カンファレンスはフランス語で行われており、プレゼン資料もフランス語です。2014年以降のカンファレンスのプログラムやプレゼンテーション資料は、Webサイトのアーカイブで参照できます。
https://cftl.fr/jftl-archives-2-2/
NPO法人「ASTER」のサイトには、2013年開催のJFTL参加リポートが掲載されていますので、こちらも興味がありましたらご覧ください。
https://www.aster.or.jp/activities/investigation/cftl2013.html
キーノートスピーチやプログラム構成
2023年に開催された「第15回 JFTL」のプログラムを参照しながら、同イベントの概要をご紹介します。
プログラムは、1つの会場で行われる全体セッションと、5つの会場で行われる4つの個別セッションおよびワークショップに分かれます。
キーノートスピーチは午前と午後に1本ずつあり、午前はCFTLのプレジデントでもあるPS_TESTWARE社のOlivier Denoo氏による講演タイトル「Death By AI」が行われました。スライドを見たところ、テストに限った内容ではなく、AIを適用/利用する上での問題や課題について語られたようです。
午後のキーノートはCELFOCUS社のJoel Oliveira氏(彼はISTQBのポーランドでの加盟組織「PSTQB」のメンバーでもあります)による「I Don’t like Pies(Test Reporting)」というタイトルの講演が行われました。
スライドは掲載されてなかったのですが、テスト報告でのパイチャートが嫌いだというタイトルから、テスト管理面の可視化などについて語られたのだと思われます。
個別セッションのテーマとしては、ゲームとテスト、テストプロセス、自動化、テスト戦略、テスターに代わるAI、テストの組織、テストの成熟度が取り上げられています。
幾つか講演タイトルを紹介すると、「テストの世界におけるゲーミフィケーション」、「ChatGPT AI はテスターの代わりになるか?」、「政治的なバグ」、「より分散された世界でのテスト」、「アジャイルのコンテキストでビジュアルなテスト設計がどのようにツールチェーンの中心となっているか」、「私のFlakyテストはアジャイルだ!」、「自動化されたE2Eテストスイートのサイズを適切にするにはどうすればよいか?」、「シフトレフトでAPIのパフォーマンスを継続的に検証しよう」というように、なかなか面白そうな感じです。
ワークショップは2時間で午前と午後に1本ずつ行われ、午前は「信頼性の高い人工知能のトレーニング、評価、テスト」というテーマのテクニカルワークショップが、午後は「自動化が進む世界におけるテスターの立場」というテーマでラウンドテーブルが行われました。
次回(2024年)のカンファレンス
最後に、2024年1月末段階で分かっている開催情報をご紹介します。
- 16ème édition de la Journée Française des Tests Logiciels https://cftl.fr/actualites/jftl/
- 2024年6月11日 フランス・モンルージュ、Le Beffroi de Montrouge(カンファレンスセンター)
- プログラム詳細は未公開
おまけ
2013年のJFTLに本コラムの執筆担当が参加した時の写真です。ベリサーブの第三者検証について紹介していることが、スライドからお分かりいただけると思います。残りの2枚は、ベルサイユ宮殿の鏡の間と火災前のノートルダム寺院です。





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