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【連載】HAYST法のこれまでとこれから:「HAYST法」誕生前夜(第1回)

【連載】HAYST法のこれまでとこれから:「HAYST法」誕生前夜(第1回)

目次

皆さん、こんにちは。秋山浩一です。

これまでQA(Quality Assurance)・テスト業界にあまり縁がなかった方は、どうも初めまして。逆にこの業界に長らく籍を置く方であれば、私のことをご存じかもしれません。「HAYST法」というテスト技法の生みの親と言われています。

まずは簡単に経歴を紹介しましょう。1985年に大手事務機メーカーに就職し、SEのバックヤードやソフトウェア開発を担当。1996年にはソフトウェアテストの部署へと異動しました。その会社で36年間働いた後、現在は150人程度の中堅SIerでCMMI(Capability Maturity Model Integration:能力成熟度モデル統合)のSEPG(Software Engineering Process Group)の一員としてプロセス改善の仕事をしています。

社外活動としては、NPO法人「ASTER」が運営しているJaSSTやJSTQBの立ち上げ、一般財団法人 日本科学技術連盟による運営のSQiP研究会にてテスト分科会の主査などをしてきました。また、「ソフトウェアテスト技法ドリル」(日科技連出版社)という本を書いています。

さて、この連載では、2000年辺りにまとめた「HAYST法」の話をします。といっても、直交表の仕組みや禁則回避方法の詳しい説明といった技術的な内容は書籍等(※1)に譲り、ここでは、HAYST法が生まれた背景や、その時にどんな課題に直面し、何を考え、実行に移したのかといったエピソードを中心に書きたいと思います。ぴったりとシチュエーションが重なる人はいないかもしれませんが、そういうプロジェクトの実例のほうが読者の参考になるのではと考えました。もしも、何か別の記事を読みたいという場合は「HQW!」編集部に連絡いただければ、前向きにご要望にお応えします(笑)。

では、ストーリーを始めましょう。

(※1)HAYST法に関する書籍は、『ソフトウェアテストHAYST法入門』(日科技連出版社、2007)と『事例とツールで学ぶHAYST法』(日科技連出版社、2014)があります。ウェブでは、JaSST'18 Tohokuの資料が詳しく分かりやすいです。

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