Cases

スクラムチームの中で、横断的な各メンバーへの
業務サポートにより工数削減、プロダクト品質の向上を実現

ベリサーブでは、急速に拡大しているアジャイル開発における品質向上ニーズに対して、これまで第三者検証業務で培った知見を活かして、多様な開発形態での支援を行っています。 アジャイル開発の現場ではテスト担当者という枠に収まらず、スクラムマスター、プロダクトオーナー、開発メンバーおよび各ロールを支援するQA担当として支援を行っており、このような横断的な立場で業務を遂行することで、品質向上のための開発のやり方、管理方法およびテストの基準を設定し、プロジェクトに貢献しています。
本ページでは、その支援実績の一部をご紹介します。

スクラムチームの抱える課題(例)

  • プロダクトオーナーの場合
    • 度重なる要件変更への対応により、スプリント内でのタスク優先順位付けに手が回らない。

  • 開発メンバーの場合
    • チームメンバー間で、実装方法、テスト粒度がバラバラで、不具合が多い(品質が安定しない)。

ベリサーブが提供するソリューション

ベリサーブでは認定スクラムマスターの資格を取得した経験豊富なQAエンジニアがスクラムチームを横断的にサポートしています。各ステークホルダーに対して適切なサポートを行い、プロジェクトの工数削減と、プロダクトの品質向上に貢献しています。

  • プロダクトオーナーに対する支援
    • バックログ、不具合、課題を整理・分析し、優先順位付けをした上で、チームメンバーに作業依頼を行います。

  • 開発メンバーに対する支援
    • テストケースフォーマット作成、レビュー対応により、実装方法の統一化、スプリント内の不具合を低減します。
アジャイル支援体制イメージ

【支援実績事例1】

■概要

  • 事例企業:情報通信業
  • テーマ:「カーシェアリングサービス管理システムのアジャイル開発」
  • 支援期間:約9ヵ月
  • お客様の課題:
    • アジャイル開発の中で、各スプリント内でやるべきテストの粒度、範囲が分からない。
  • 支援内容:
    • 参画内容:アジャイル開発のスクラムチームにQA専任として参画。
    • チーム構成:メンバーはスクラムマスター、プロダクトオーナー、開発メンバー7名、QAエンジニア1名(ベリサーブ)の合計10名。

■詳細

1.各スプリントで担保すべき品質基準の策定

各スプリントにおける品質基準を明確にしたことにより、工程間の重複や漏れを防ぎ、効率化と品質の向上に貢献しました。

2.開発ドキュメント、テストドキュメントの品質向上

開発メンバーそれぞれから異なる様式で発行されていたドキュメント類をまとめて体系化し、 基準を定めてドキュメント品質を向上しました。これにより、ドキュメントの誤りに起因する 不具合発生が解消されました。

3.実装者間での認識の齟齬を指摘

認識の齟齬による誤った作り込みを防ぎ、さらに各機能で異なっていた実装方法を統一することにより、効率と品質が向上しました。

4.不具合、積み残し課題の一元管理化

すべてのインシデントをチケット化して運用することにより、不具合の状況や、埋もれてしまいがちな課題を可視化しました。
また、サービス全体を把握しているQA担当者の知見を活かし、各タスクの優先順位付けや取捨選択、対応時期を提案し、効果的な管理の実現に寄与しました。

【支援実績事例2】

■概要

  • 事例企業:情報通信業
  • テーマ:「クラウド人事管理システムの新規大型開発」
  • 支援期間:約3ヵ月
  • お客様の課題:
    • 開発メンバー間で、実装方法・テスト粒度がバラバラで不具合が多発している。
  • 支援内容:
    • 参画内容:顧客先のQAチームに所属し、新規大型機能開発スクラムチームへQA専任の立場で参画
    • チーム構成:メンバーはスクラムマスター、プロダクトオーナー、開発メンバー8名、QAエンジニア2名(ベリサーブ)の合計12名

■詳細

1.統合テストのQAエンジニアとして、テスト設計からテスト実施までを担当

実装前に仕様の不備を指摘し、仕様書の修正を開発に依頼することで、誤った仕様書に起因する不具合の作り込みを事前に防ぎました。

2.テスト設計中に、スクラムマスターとの使用性改善の打ち合わせを実施

UIを含む使用性改善点を指摘し、テスト実施より早い段階での品質向上に貢献しました。

3.レトロスペクティブにて改善提案

今後のスクラム開発の進め方についての改善を提案しました。

4.QAチーム内で改善事例の共有

スクラムでの改善事例をQAチームと共有し、QAチーム側の業務改善に助力しました。

【支援実績事例3】

■概要

  • 事例企業:保険業
  • テーマ:「倉庫管理システムのアジャイル開発」
  • 支援期間:約36カ月
  • お客様の課題:
    • 開発メンバー間で、実装方法・テスト粒度がバラバラで不具合が多発していた。
  • 支援内容:
    • 参画内容:アジャイル開発のスクラムチームにQA専任として参画
    • チーム構成:メンバーはスクラムマスター、ビジネスアナリスト、開発メンバー7名、QAエンジニア3名(ベリサーブ)の合計12名

■詳細

1.ユーザーストーリーの品質向上

ビジネスアナリストが作成するユーザーストーリーに対して、QA視点で仕様の不備やあいまいな点を指摘することで、仕様が明確になり実装前の品質向上に貢献しました。

2.テストデータ作成の一部自動化による効率化の実現

テスト実施で必要になるデータはマニュアルで設定が必要なパラメータが多く、準備に時間がかかっていましたが、マクロ作成によりデータ作成工数を半分にまで削減しました。

3.不具合分析実施によるテスト設計品質の向上

参画前からの過去の不具合を分析してテスト観点一覧を作成し、メンバーの経験に依存していたテスト観点の可視化を行い、テスト設計全体の品質向上に貢献しました。

4.レトロスペクティブにおけるプロセス改善

チームメンバー全員で実施するレトロスペクティブで、QA工程だけではなくアジャイル開発全工程にわたるプロセス改善の提案を行い、スプリントを経るごとに作業品質と効率化を進めました。

当社の取り組みについて

(1)支援実績の蓄積と内容の体系化

アジャイル開発におけるこれまでの支援実績について、ノウハウの蓄積と体系化を図っています。
主な支援実績:UAT支援、QA観点での要件定義支援、チーム内の課題管理支援、開発検証支援(QA)など

(2)アジャイルマインドを持った要員の育成

認定スクラムマスター研修を積極的に実施しており、支援スキル向上とともに実践で対応できるアジャイルマインドを持った要員の育成を推進しています。また、研修を通して本年度末までに、アジャイル開発において有用な資格である認定スクラムマスターの資格取得者100名を目指しています。

(3)テスト支援以外の多様な要求に対応できる体制整備

お客様の多様な要求に対応すべく、以下のようなサービスや体制の整備を進めています。

  • アジャイル開発におけるテストプロセス改善
  • 要件定義、仕様書などの開発ドキュメントの作成支援
  • タスク、課題管理などのプロジェクト管理支援、など

(4)既存の開発形態における品質向上の支援

アジャイル開発に関する上記の取り組みを通じて、アジャイル開発以外の既存の開発形態での案件においても以下のような品質向上を支援しています。

  • 短いリリースサイクルの開発案件、開発上流での仕様書レビューおよび開発テスト支援において、プロアクティブなコミュニケーションツールの導入提案による情報伝達の効率化を行っています。
  • 開発遅延中のプロジェクトにタスクの重み付けであるストーリーポイントを加味したバーンダウンチャートを取り入れ、検証全量と残件数の可視化や現実的なリリース期限の再設定を行っています。

(5)AgileTPIの日本語翻訳版の作成・提供

当社では、日本におけるアジャイルテストプロセス改善のニーズを受け、オランダのSogeti社が提供するAgileTPI(Test Practice Improvement)の日本語翻訳版の作成に貢献しています。
AgileTPIは、テストプロセス改善のフレームワークであるTPI NEXT🄬をアジャイル実践に応用したものです。

日本語翻訳版は、Sogeti社のダウンロードサイトより入手可能です。
https://www.tmap.net/building-blocks/agile-test-process-improvement-agile-tpi

※ 認定スクラムマスター研修について

認定スクラムマスター研修は、スクラム共同考案者であるJeff Sutherland博士によって作られた研修です。
当研修により、品質向上につながる以下のスキルが向上しています。

  • 短い開発サイクルに対応したコミュニケーション方法や必要なタスクの整理/効率化スキル
  • プロジェクト内での当事者意識の醸成と、プロジェクトのゴールや案件目的および品質状況の共有化スキル
研修イメージ

※写真は研修イメージです。