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互換性テストとその実現方法

互換性テストとその実現方法

互換性テストとは?

最初に、”互換性検証(テスト)”について簡単に説明します。

互換性テストとは、各種IT製品における環境依存の不具合を発見し、さまざまな利用環境でユーザーが製品を安心・快適に利用できるように、相互互換性を確認するテストです。

例えば、PCやスマートフォン等のハードウェアおよびWEBブラウザが異なっても、対象のアプリケーションが同じように動作できるかを確認します。

互換性テスト実施のハードル

では、スマートフォンを例に、実際に互換性テストを実施するときの主なハードルを3つご紹介します。

互換性テストを実施する上での最初のハードルは、テスト対象となるデバイスや外部接続機器、またデバイスに搭載されるアプリケーション(複数バージョンそろえる場合もある)といったテスト環境の構築が挙げられます。

また、テスト環境は構築しただけでは済まず、アプリケーションならば適宜アップデートが必要になりますし、デバイスのOSやファームウェアも同様にアップデート、つまり「保守」が随時必要となります。

2つ目のハードルは、テスト対象のデバイスです。例えば、スマートフォンが100機種存在する場合、iOSとAndroidの操作の違いや、OSのバージョンごとのアプリケーション動作や操作の違いなどを理解した上で、テストケースを実装し、テスト実行する必要があります。

3つ目のハードルは、上記2つのハードルを乗り越えるためのリソース(ヒト、モノ、カネ)の確保です。互換性テストを実施するシチュエーションを考えると、新規開発で大規模に行う場合だけではなく、派生開発で検証が必要なアプリケーションが絞られていたり、互換性を保証する外部接続機器が限定されたりなど、小規模な場合もあります。こういったシチュエーションに応じたリソースが必要になりますが、特に投資対効果の観点で、大規模開発に比べると小規模開発でのリソース確保が大きな課題となります。

互換性テストサービスの実際

このような互換性テスト実施の課題に対して、ベリサーブではテスト環境とテスト担当者をそろえ、ニアショアにてテストを実施する「互換性テストサービス」をお客様に活用いただいています。

しかし、既存のサービスでは、前記の1つ目と2つ目のハードルに対するソリューションは提供できていましたが、3つ目に対しては十分な手当てができていませんでした。具体的なお客様のニーズとして、「小規模な作業のご依頼」、「費用が少額」、「内容に関わらず契約に時間を要する(すぐに着手してほしい)」がありました。

また、具体的なカスタマーボイスとして

  • 依頼したいが契約手続き等々のリードタイムがネック
  • 依頼内容が極端に少ない(あまりに少額で依頼しにくい。気が引ける)
  • 限定的なシーズンのみ、限定的な端末シリーズのみで単発で動作確認したい
  • 起動確認のみ、特定の1画面のみの表示確認を複数端末で確認したい

といったご要望を複数のお客様より受けていました。

こうしたニーズにも対応できるよう、お客様の好きなタイミングで、1端末から気軽に迅速でリーズナブルな価格でご注文いただけるサービスを設計し、「互換性テストサービスLite」としてリリースする運びとなりました。

互換性テストサービスLiteのご紹介

では、具体的にどのようなサービス形態で、3つ目のハードルを乗り越え、お客様のニーズをキャッチアップしているかをご紹介します。

スマートフォンによる互換性テストを実施する場合、「互換性テストサービスLite」では、1000台を超える端末から必要な分だけを指定の上、スマートフォン操作を熟知した、経験豊富なテスト担当者による実機検証を可能としています。

図表1:互換性テストサービスLiteのフロー

サービスをご利用する手続きもアプリケーションから簡単にでき、注文から最短即日で結果を受け取ることもできます(図表1)。

Liteという名称が示す通り、お客様のニーズが最も多かった「アプリインストール、起動確認」と「画面確認」の2つのサービスに絞り込むことにより、注文から納品までのターンアラウンドタイムを最短化するとともにコストの最適化を実現しました(図表2)。

また、互換性テストサービスLiteは1000台を超えるスマートフォンから、1端末1画面から検証を依頼することができます。端末の選定に迷われる方には、厳選したお勧め端末セットもご用意しています(図表3)。

図表2:互換性テストサービスLiteの発注画面
図表3:検索条件の設定

アプリインストール&起動確認サービス

ご希望の端末を使用しアプリの「インストール」、「起動確認」をテストするサービスです(図表4)。

図表4:アプリインストール起動確認サービス

画面確認サービス

ご希望の端末を使って、ご指定いただいた画面の「表示確認」を行うサービスです(図表5)。

図表5:画面確認サービス

ここまでスマートフォンでの互換性テストサービスについてご紹介しましたが、スマートフォン以外にも検証用途として機材を多数保有しています。例えば、無線LANルーターは70機種程保有しています(図表6)。こちらも互換性検証の対象機器としてご活用いただいています。また、電波暗室を保有し無線機器の検証にも対応しています(図表7)。

図表6:ベリサーブ沖縄が保有する無線LANルーター(2024年7月現在)
図表7:電波暗室と保有する無線機器の例

2024年にリリースしたばかりの新しいサービスである「互換性テストサービスLite」は、お客様のニーズを基に改善を続けることで、表に出にくい潜在ニーズにもお応えできるよう、サービスの向上に努めています。

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