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【シリーズ】世界のソフトウェアテストカンファレンス：番外編（第5回）
本シリーズでは、これまで4回に分けて世界中で開催されているソフトウェアテストのカンファレンス情報をお届けしました。今回は番外編として、2024年5月2日、3日にハンガリー・ブダペストで開催されたISTQB（International Software Testing Qualifications Board）総会の模様をお届けします。
ISTQBの総会（General Assembly Meeting）とは？
法人格としてのISTQBは、ベルギーに本部を置くNPOです。1998年に設立され、「ベストプラクティスに基づいてテスト技術者の認定を可能にする知識体系を定義および維持し、国際的なソフトウェアテストのコミュニティを結び付け、研究を促進する」ことをビジョンに掲げ活動しています。日本では、NPO法人ソフトウェアテスト技術振興協会（ASTER）の事業部門であるJSTQBがISTQBに加盟しています。
総会は春と秋の半年に1回、ISTQBに加盟するNational Board（以下、ナショナルボード。メンバーボードとも呼びます）の持ち回りにより、メンバーボードと試験プロバイダーの代表者が参加して開催されます。総会では全体運営に関わる動議（Motionと呼ばれます）に関して協議し、投票による決議を行っています。今回ご紹介する総会は、ハンガリーのナショナルボード主催により首都のブダペストで開催されました。
ワーキンググループ（WG）の様子
ISTQB内にはさまざまなWGがあり、各WGではISTQBに加盟するナショナルボードや試験プロバイダー、ボランティアとして参加するメンバーが活動しています。
通常、ISTQB総会は木曜日と金曜日に開催されます。その前日までの月曜日から水曜日にWGが行われます。筆者はAdvanced & Expert WG、Foundation WG、Process Management & Compliance（PMC） WGに参画しており、今回の総会ではPMC WGに出席しました。
PMC WGは、ISTQBのいわゆる内規類（ガイドやルール）の整備や、各国のメンバーボードがISTQBのルールに沿って活動していることを、アセスメントを通してチェックするためのWGです。ガイドラインやルールの上位には日本のNPOと同じく定款（Constitution）があり、内規類は定款に準じて運用されています。
総会の概要
総会は100名以上の参加者（メンバーボードおよび試験プロバイダーの出席者、WGの参加者およびハンガリーボードのメンバーなどのオブザーバー）により、2日間にわたって開催されました。
初日は、主に各WGからの報告が行われます。また、報告終了後には、事前にテーマを持ち寄った上での自由協議の場（ラウンドテーブル）が設けられます。以下は木曜日のスケジュールです。
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5月2日（木） ISTQB GA - Information Day（各グループからの報告や説明）
9:00 – キックオフ
--- 各種報告 ---
9:15 – 会長
9:45 – 会計
10:05 – 事務局より
10:20 – ガバナンス
10:30 – コーヒーブレイク
10:45 – 戦略グループ
11:15 – ISOリエゾン
11:45 – アカデミアWG
12:00 – Advance & Expert Level WG
12:15 – Agile + Foundation WG
12:30 – ランチ
13:30 – ISTQB カンファレンス（ケニア）報告
13:45 – 試験WG
14:00 – 用語集WG
14:15 – マーケティングWG
14:30 – プロセスマネジメント＆コンプライアンスWG
14:45 – コーヒーブレイク
15:00 – スペシャリストWG
15:15 – TBOK WG
15:30 – ISTQB Excellence AWARD発表
15:45 – コーヒーブレイク
16:00 – ラウンドテーブル
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総会2日目は各WGの議長や副議長の選挙や、動議に対する投票が行われました。
各動議の内容は守秘義務があるため詳細までお伝えできませんが、以下のタイムスケジュールで進行しました。
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5月3日（金） ISTQB GA - 投票日
9:00 – 投票日 キックオフ
9:15 – 投票に当たっての注意事項など
10:40 – コーヒーブレイク
10:55 – 議案説明
12:10 – WGの議長、副議長 選挙
13:00 – Lunch
14:30 – 選挙結果
15:00 – 議決事項投票について
15:15 – 各議案への投票
16:20 – 次回総会（2024年10月、インドネシア・バリ）の案内
16:25 – クロージング、集合写真撮影
総会終了後は、全参加者がディナー会場へ移動し、夜半まで交流を深めました。
ソーシャルイベントの様子
総会が終了した翌日（つまり週末）にはソーシャルイベントとしての日帰りツアーが行われました。
目的としては単に観光するだけではなく、参加者間のネットワーキングの意味合いもあります。
ともあれ、毎回、総会に参加する者にとっての楽しみの場となっています。
おまけ（ブダペストの様子）
この記事を書いた人
執筆
大西建児
株式会社ベリサーブ 広報・マーケティング部。テスティング・エバンジェリスト。大手電機メーカー、外資系通信機器機メーカーでソフトウェアテストや品質保証などに携わった経験を活かし、テスト自動化の推進、テストプロセスやソフトウェア品質改善に関するコンサルテーションなどを行う。その後、業界で培ったネットワークや知見をベースに広報・マーケティング部門にて活動中。また、コミュニティ活動や講演・執筆などにも精力的に取り組む。ISTQBではAdvanced Levelワーキンググループを中心にシラバス策定／執筆に携わっている。NPO法人ソフトウェアテスト技術振興協会（ASTER）副理事長、JSTQB（テスト技術者資格認定）日本代表、技術委員会副委員長など。『ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第4版 シラバス2018対応 EXAMPRESS』共著、『ステップアップのためのソフトウエアテスト実践ガイド 改訂版』著、『ビューティフルテスティング ―ソフトウェアテストの美しい実践』監訳など。
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